横丁の名探偵

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番組名　　たくろうの気ままな世界
放送局　　ＴＢＳラジオ
放送日時　１９７３年２月１７日２１：３０〜２２：００

拓郎＿拓郎の気ままな世界その１９回。新六文銭ラジオコンサートその１。

新六文銭「比叡おろしの唄」

拓郎えー新六文銭ができたという噂は聞くけれどもその姿は未だ表面には出てきておらないと、音もそんなに聴く機会がないと、早く新六文銭の音をじっくり聴かせて頂戴よという声が最近非常に高まっているというえーますだディレクターの言葉でありまして、えーそこで今週と来週はこの新六文銭とはだいたいこんなグループなのだと、だいたいの雰囲気をですねえーみなさんに聴いて貰おうじゃないかというんで、新六文銭のラジオコンサートというのを企画しました。今週と来週は六文銭のラジオコンサート、新しい曲がばんばか聴ける聴けるわけですね。それでもって今日もスタジオには小室さんが来ております。どうも今晩は。
小室どうも今晩は。
拓郎というわけでまず我々のテーマソングとなってしまいました、いつのまにか比叡おろしソウルですね。
小室がやがやがやがっぎゃっぎゃ♪
拓郎それから始まりましたけども、どうですかね六文銭。
小室ははは。
拓郎なかなかね、えー語るのも辛いといういろいろ難しい面がありますけどね、えーまずはですね、２月の２８日に大阪のフェスティバルホールで第一回のリサイタルが行われるわけですかね。
小室そうです。
拓郎そのあと名古屋、東京ですか。あと横須賀とかやるわけですけどもね。リサイタルシリーズが待っているですが、２月２８日のまでに間に合うかどうかということですかどうでしょう。
小室それは間に合うかじゃなくて間に合わせるわけですから。
拓郎なるほど。間に合うかもしれないじゃなくて。
小室かもでは困る。
拓郎間に合わせなければならない。雰囲気的には小室さんとしてはどのような気がしてますか。
小室間に合わせるわけです。
拓郎なるほど。ぼくは絶対間に合うと思ってます。
小室はははは。
拓郎なかなかやっぱりリードギターは大したものですね。えーそういうわけでですね、今日は六文銭の歌を聴いていこうと。もうこれは新六文銭という呼び方は止めたいと思うんですが。
小室止めたいですね。なんかですね、新幹線の駅みたいな。
拓郎そうですね、新横浜みたいですからね。はっきり六文銭という風に言い切りましょう。六文銭の歌を聴きましょう。まずはですね、これはぼくが作曲した曲ですがからっ風のブルースというのですけどもね。これは出来はどうでしょうね。まだまだなんかまとまってないですね、これはまだ。
小室出来たとは言い切れないでしょ
拓郎まだねまだ完璧とは言い切れないですね。
小室しかしやる前にはちょっとあれですから、あまり言い訳をせずにやってみましょう。
拓郎まずは聴いてきましょうかね、六文銭からっ風のブルース。

新六文銭「からっ風のブルース」
ＣＭ

拓郎えーからっ風のブルースというわけでみんながコーラスを後ろでやってみましたけども、なんとなくやりつけないので多少こう歯に噛みながらという感じでね。
小室だんだんマイクから遠ざかっていく。
拓郎だんだんね。
小室遠くの方でさ、両手を口に合わせて歌ってる。
拓郎そういう感じでしたね。ステージではそうはいかないので、明日ミーティングで怒ってやろうと思いますけど。さてですね、どういう経過でこの六文銭が出来上がったかとこのたびのこれについて簡単に小室さんから。
小室俺かよ。
拓郎簡単にですね。
小室これはとある某、某放送曲じゃなくていいんだＴＢＳで。
拓郎ＴＢＳです。
小室深夜番組で、なんか誰かが非常に人気の高い番組がありました。
拓郎ありましたね、ディレクターとのこのコンビネーションの良さね。
小室何曜日の夜中でしたっけね。
拓郎ちょっと忘れましたけどもね。
小室そこでたまたまあの吉田拓郎さんと小室等さんがお会いになってね、であの暮れだったですけどね。来年はなんか一緒にグループでもやろうかと冗談のつもりでね。
拓郎冗談で。
小室でそのまま番組は冗談で終ったわけですが
拓郎番組も冗談で終った。大笑いしてますけどもね。
小室終ってからですね本気になりまして、冗談で言ったにも関わらず。やるっとか、なんとなくぼそぼそっと二人で。
拓郎やる。煙草やる。ははは。先週の続きですねなんか。
小室感じになりましてね。なんか冗談が本気になりまして、でやるんだったらね、まああのどうせやるならねもう実力のあるグループ。
拓郎なるほど。
小室あまりにもフォークソングってのは実力のないグループが多過ぎたから今まで。
拓郎なるほど。
小室昔の六文銭くらいでしょ。
拓郎いやあー、そうでしょ。
小室それでさ、あのまあ簡単に言うとちっとも簡単に言ってないが。
拓郎長いのね。
小室長い。
拓郎いっつもそうね小室さんは。結婚のスピーチも長いしね全く。
小室それでさ、驚いたのはさ、やるとおもってなかった凄いほらねだってスタジオなんかで忙しくてくさ一流の人たちが声かけたらわりと簡単にやるっていう。
拓郎みんなね結局あぶれてたんですよ、本当は。
小室本当はね。
拓郎本当言えばねステージをやりたくてしょうがなかった。みんなあぶれてたんです。
小室声かけたらみんな二つ返事でねＯＫで
拓郎一つ返事ってのか、二つ返事、そうです、語彙が不足してまして。
小室チト河内、柳田ヒロ、後藤次利、こういうね。
拓郎錚々たる連中が集まりましてね。そういうわけで面子が集まったわけですがそれでまあいろいろ音作りを始めましてね。いつ頃でしたかね、練習を始めたのは。
小室今年入ってからですか。
拓郎今年入ってからですかね、ああそうですね。去年ああそうですね去年の年末でＴＢＳのほら、ゆく年くる年みたいのでちょっと、ちょっとやりました。
小室やりました。
拓郎ちょっとメンバーはちょっと違いますが。
小室本格的じゃなかった。
拓郎そうですね、今年の初め入ってから音を出してみてまあ、だんだんいけるかなと。比叡おろしですぐ乗ったわけですね。比叡おろしだけで。その後がちょっとやばかったですけどもね。２８日にはなんとかなるでしょ。それでは次の曲行きましょうかね。今度は小室さんが作った曲ですね。これは小室さんが歌います、誰かの日記。

新六文銭「誰かの日記」

拓郎誰かの日記という曲で割とテンポのアップな感じでぼくの好きな感じの雰囲気ですけどもねこういう感じを小室さんは前の六文銭ではなかったでしょ。
小室ない　できないですしね
拓郎ああそうですか今度はこういう感じは多いですね。
小室多いですね。
拓郎どうですか。
小室ちゃっかりうってれば拓郎はいいわけね。
拓郎ぼくは大好きですね、こういった感じの曲というのは。なかなか面白い詞ですねこれは。
小室これねもともとぼくは初めエレキをやっていたんですけどね、駄目ですねやっぱりエレキはね、で１２弦に変えてしまいましたがね。そういう問題がかなり出てきてますね。
拓郎ところでこの六文銭のコンサートをどんどん開いていくわけですが、リサイタルでね全部。小室さんとしてはどういったコンサートにしたいと、端的に言えば。
小室やっぱり２時間持つだけの曲があるグループにしたいですね。
拓郎ははははは。ぐしゃぐしゃ言ってますね。それを言ってしまってはあなた番組が終ってしまいます。来週聞けないじゃないですか。何を言っとるのですか、あなたそうですか。でもそれはありますね。ぼくもなんとなくなんとなく背筋が寒いというかですね、なんかぞくっとくる。
小室でさ２８日の大阪はね、俺悪いような気がするんだよな。
拓郎ぼくはね２８日の大阪が良いような気がするね。あとだんだん駄目なような気がするね
小室３月４日東京の方がさ、なんか曲が１曲くらい増えているような。
拓郎曲は増えてますね。曲は増えているでしょ２、３曲は。
小室そんなこといっちゃいかん
拓郎でもねぼくは大阪のリサイタルに賭けてますね。
小室そうれはそうですね一発目ですし。
拓郎これをやっぱりやらないといかん。あっと言わせてやるという感じで。入場券がねこのまえ大阪行ったんですけれどもめちゃくちゃですよ。もうなかったですよ。
小室やばいじゃないですか。
拓郎やばいですよこれはどうしよう。
小室早く帰って曲作ろう。
拓郎そうですね。さてそれでは次の曲ですね、これも小室さん作った曲ですね。これはもう大アレンジでなんとまあ８分２０秒という大変な曲ですね。昔の人間なんてみたいな感じですけどもね。ほんとに長いですけどもね。小室等がもうなんというか大熱演してます。１２階建てのバスがやってくる。

新六文銭「１２階建てのバスがやってくる」

拓郎凄いですね。
小室誰ですかこれやっているのは。
拓郎もう凄いですね、しかしあのぼくもギターうまいですね。
小室えっ。
拓郎いやいやぼくもギターうまいですね。
小室ああー。
拓郎あーじゃないよあなた、全然話になりませんけどね。しかしサンタナ風だしバンド風だし。
小室ボブ・ディランもいますね。
拓郎ぐしゃぐしゃですね。もういろんな人がいますけどもね。
小室いろんなひとが乗ってましたね。
拓郎このアレンジが難しいですね。
小室すごいアレンジですね。
拓郎ちゃっ　ちゃっちゃっ。チト河内のアレンジですけれども、あすこのリズムのぐしゃぐしゃに難しいですけどもね。慣れるのに苦労しましたけども、こういうなんかこうなんかアレンジが多いので大変ですね我々も。
小室大変ですこれからがんばらなくてはいけません。
拓郎とくに楽譜が読めないぼくとしてはね。
小室はははは。
拓郎全部勘でやってますからね。勘がはずれると全然いかんと。
小室みんな書いているのにおまえだけ覚えて。
拓郎ぼくだけ全部覚えてますから。みんな楽譜でちゃんとやってますけどもね。ぼくが書いてもわかりませんからね、ぜんぶ勘だけですから。勘が駄目になると熱燗徳利の首、ぜんぜん関係ないですけれどもね。そういう感じで今日は拓郎の気ままな世界は新六文銭、六文銭のラジオコンサートその１をお送りしました。

ＣＭ

拓郎というわけで今週は六文銭、新六文銭ですがもはや六文銭ですね、六文銭のラジオコンサートというのをお送りしましたけども。来週もですねこの新たに作りました六文銭の新曲などをですね、ややお送りしてみようと思います。全曲やるわけにはいきませんからね。全曲やるとお客さんが来ませんからねリサイタルに。来週も六文銭ラジオコンサートその２にご期待下さい。拓郎の気ままな世界、提供は富士重工さんでした。それではまた来週。

拓郎：吉田拓郎、小室：小室等