横丁の名探偵

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番組名　　ハロー・パーティー
放送局　　文化放送
放送日時　１９７３年１１月１５日１８：４５〜２０：００

土居＿えー今夜のオーフリーは泉谷しげるショー。
客＿おおお・・・せっせっせ・・・おかまー・・・
アンおかま？
泉谷どうして俺がおかまなんだ馬鹿野郎、張り倒すぞ、このがきは、お前。
客スーパーマン・・・スーパーマン・・・
泉谷えーごちゃごちゃいうなお前ら、ほんとに。えーお前何やってんだ、お前は、この野郎。おおご苦労。おお、いい写真だなこれななかなか。ヌードになってるじゃないか俺がな。汚ねえ顔しやがってこの前にいやがって。えー、そういうことであるが、えー、久しぶりにハローパーティーやってまいりまして、ほんと土居さん、お久しぶりでした、どうも。
土居久しぶりだね。
泉谷今日はしかし土居さんあれですね、俺よりいい格好しているから頭にきますな、非常にこの。
土居何着たってそりゃやっぱりおまえより俺のほうがいい格好。
泉谷当たっているだけにきついな。えーあんまりやるとまた時間オーバーするからな俺。
土居いいよたっぷりやってくれよ。なんか今日この後西岡たかし君と。
泉谷レコーディング
土居ジョイント。ジョイントＬＰってのはねーよな。
泉谷そう、だからね。
土居日本で初めてだな。
泉谷そう、で全く全然別個の形で作っているわけ。例えばあのお互いに似させようだとか、そういうこと一切しないでもうお互いの個性でわーっと作っちゃってるから、非常に時間ないんで今日は大阪で対抗あるってあったじゃない。向こうでやってんの。あれやりたくてしょうがねんだよな。あいつら一度叩きのめしてやりたいって感じ。
客おおお・・・
泉谷ところが残念ながら今日は駄目なのであるからお前ら、代りに一つやって、やって欲しいと思うが。

「春夏秋冬」

泉谷えーへへへ、えーそういうことであまり時間がないので、いつも時間がないので残念ですが、しかし今日は絶対にこの諸君の悪乗りに乗ってたまるかというので確固たる自信でやって来ましたが。要するにこっちが先に乗りゃいいんだって感じで。
ウルトラマンタロウのこども♪
客・・・
泉谷待て！　よし、よし、お前らがこんなに期待する歌ならば、よし、レコード出そうこれを。えー絶対、よし、よし。
客レコード大賞！・・・
泉谷レコード大賞も生憎見逃してしまったが、来年こそは一つ取りたい。しかしあのレコード大賞というものはあれは貰う物ではなく買い取るもんであるから、非常にあれはどうせ買うなら女買った方がいいという感じがすごい強いので。
客すけべ・・・
泉谷お前には負けるよ。しかし（注　聞き取り不可）がな。よしこれをどうしてもソノシートレコードを作ろうよしそれでがんばれジャイアンツを抜こう、なんて。なんにこいつ、だからあんまり乗るなよ、お前らよ。すごいやりずらいんだよ、俺としては。
客・・・
泉谷お前か、この野郎うるせえの。全く顔見たらかなり地味な格好しているくせに声出したら。あそこにもいたか、早漏め。えー。
ウルトラマンタロウのこども♪
客ははは・・・
泉谷なにがおかしいんだ、お前ら。これは今日初めてやる新曲だからな、この野郎。いつも新曲だが、新曲はそんなに簡単に乗ってもらっては困る。

「ウルトラマンタロウのこども」

「黒いかばん」

泉谷やけっぽいなもう。
土居だけど泉谷、これが歌かよ。
泉谷やっちまえばいいよなんでも。
土居だけどさなんで作ったのこの黒いかばんって。
泉谷いやこれはあの実際岡本おさみという男がですね、よく拓郎の歌を作っている人ですが、えーこういう社会的に影響ある歌を作ってくれと言われてましてね。で、きまして俺のところに詞をよこしたわけ。彼の注文としては非常にバラードで深刻に歌ってくれという。でそれにものの見事に期待に応えてかなりリアルクションに、こうリアルに飛んだ歌を歌ったんでありますが、それから彼が俺のところに詞を持ってこなくなりましたけどね。それから彼と俺の訣別が始まったという感じですね。
土居だけどおかしいな、この歌な。
泉谷でもなんでレコード大賞にノミネートされないんだろうな俺。駄目なんだ。
土居あー欲しいか。欲しいか。
泉谷俺は一度は受賞式って行ってみたいね。一度も俺、表彰状とかねメダルとかもらったことないのよ。なんにもない、一個も。
土居そうか、今度あげるよ、来年。
泉谷ほんと？
土居な、だからエレックレコードにレコード大賞っていうのを作りゃいい。
泉谷あっ、あたってるわ。
土居そうすればケメか泉谷かどっちかだろ。
泉谷俺はあいつには勝てる自信あるからな。こう可愛さで絶対俺のほうが（注　聞き取り不可）ってえからな。やかましい、お前らこの野郎。では最後になりましたが。
土居えー、だけどこうやって泉谷がさ、馬鹿っ話して、この野郎、馬鹿野郎、てめえ、このやろう、なんだよなんてやってるけども、俺、泉谷みてるとものすごくあれなんだよな、ピエロみたいな感じがするんだよな、俺は。
泉谷当たってる、それは。
土居すごく寂しがり屋でさ、で弱くってさ、人間が底抜けに好きなくせにさ、嫌いみたいな顔してさ。
泉谷当たってるだけにきついな。
土居未だに精養軒で食ったシュウマイが世の中で一番美味いと思ってるんだもんね。
泉谷えー、そうね、ファッションも蒲田ファッションしかできないからね、俺は。
アン蒲田ファッション。
泉谷全部蒲田だからねこれね。新宿で買うのが恥ずかしくてしょうがないんだ、俺は。
土居蒲田も最近開けてきたな。
泉谷すごくあのいいよ、悪くないよ。
アンうふふ。
泉谷何がおかしいんだ、てめえ。
土居ははははは。
泉谷誰が笑えって言った、馬鹿。笑う暇があったらおっぱい出せ。
客・・・（大罵声）
泉谷やかましい、お前ら。悔しかったら言ってみろ、お前ら、面と向って。ごめんね、あの決して本気で言ったんだけども。えー、いつもこう客に負けるな、ここは。ようし俺、今度こそ勝つぞ間違いなく。今度こそ、よし、エレキグループ連れてここでぎゃんぎゃんやってしまおうかという感じあるな。
土居駄目だよ、石油なくなるからエレキ使えなくなっちゃう。
泉谷そうだってな。
土居そうだよ。
泉谷深夜番組もやばいしな。
土居やばいぞ。
泉谷真夜中のギターもできなくなるな。えーそうか、残念だ。ほんとエレキが駄目になるんだよね。あの石油でつくってるからね、あれ。その点、これいいね。生ギターはね。土居　いいギター使うようになったもんな、泉谷も。いくらそれ。
客五、六百円。
泉谷当たってるよ、お前。これギターメーカーから貰ったやつだからね。ちょっと不良品だから使ってくれって感じでね、ほんとにまあ、謙遜だ、馬鹿。この人、なんか呆れた顔して見ている。俺、動物じゃないんだからな、お前な、言っとくけど。これでも一児の親だぞ、俺は。
客さおりちゃん。
泉谷気やすく呼ぶな、お前ら、馬鹿野郎、ああ、時間、大丈夫。まだある、大丈夫だ。よかったよかった。なんとか言え、お前。何か一つ質問したいだろ。言ってみな。
客どうして座ってるの？
泉谷やかましい。誰がお前に言えって言った、この野郎。てめえ、なんだこの野郎。お前、女にのくせに村田英雄みたいな顔しやがって。
アンははは、かわいそう。
泉谷（注　聞き取り不可）だろ。女の村田英雄って見れないよ、お前。お前はね、あれだよ笑われるために生まれてきたようなもんなんだよ。ほんとに。首吊れ、帰って。ほんとに。ざまあみろ。もっとなんか言え、ほら。
客・・・・
泉谷何言いやがんだ、てめえら、この野郎。最近のくそがきどもはこのけしからんのはテレビかなんかでよく見るんだけれどもなんといったらいいか、ほれ、女の女性歌手にきやすく声かけすぎるというか、俺のところはあまりかけないくせに、この野郎。
客・・・
泉谷男が誰が言えって言った馬鹿野郎。そういう、こう、あれを見てるといらいらしてくる。男はそういうことじゃいかんよ。やっぱし。どうどうと女の歌手をふんとあしらってやらないと。アマチヘマリとかあそこらへん調子に乗るからなあ、まあだから絶対に。あいつら、目立ちたいやつがかなりおるが。ほんでもう一つ悪い傾向は最近そうやってすぐでしゃばろうとする。そうやって目立とう目立とうとする。よくテレビの中継だとかそういうのがボクシングの中継が終ったあとによく記者会見やっているとよく後ろの方で……。ああいうたぐいのやつが大変増えた。しかしあの気持ちはよくわかるんだが、俺も以前はやっとったんで。
客・・・
泉谷わかったわかったわかった。今日は時間がない。
客早く死んでくれよ早く。
土居ははははは。
泉谷お前、そこまでいうと本気になるぞ、この野郎、俺も。てめえ馬鹿野郎、お前、頭きたからあとでてめえのケツの穴コーラの壜突っ込んでやる。ちょっとこれ教養番組だろ、これ、ねえ、土居さんすまんね。
土居泉谷くるといつもそうだからまあいいや。うちはお前出したからってディレクターが首になることはないから。
泉谷そうだってねＴＢＳはときたまなるからね。あこれ生か。
土居生だ。
泉谷もっと言おう。えー、では最後の歌になりましたが、春のからっ風。
客戦争小唄。
泉谷ここではできないんだ、馬鹿野郎。

「春のからっ風」

土居はい、えー、まー、こういうような一連の歌を聴くとね泉谷の本当の気持ちがわかる。デビュー曲ってなんだっけ。レコード、最初にレコードになったのって。
泉谷最初のデビュー曲ってのは告白のブルース。
土居デビュー曲っていうのはいつも最初なんだけどさ。
泉谷よしこうなりゃもうレコーディングなんてどうだっていい。大阪と対抗してやろうじゃないか。
土居いいよいよ。
客・・・
土居なんだっけ。
泉谷今さっきね、時間測ったらね、８時で大丈夫だった。
土居いやいいよいいよ、早くいいもの作りなさいよ、帰っていいから。
泉谷西岡さんがね、９時頃じゃないと帰ってこないんだって。
土居そう。
泉谷そういう風にさっき聞いたから。
土居でも歌は終わりだよもう。
泉谷あっそう。
土居じゃ帰ろうかって。
客もう一曲。
土居デビュー曲、もう一曲、じゃあ、時間がそれこそなくなっちゃった。
泉谷時間がなくなっちゃたからね。デビュー曲ってのはね、なんて言ったらいいかな、プロフィールなんてのがあったね。
土居プロフィールか。わたしは有名な歌手でございます。会ったら拍手してくださいとか。
泉谷そうそう。
土居あれがデビュー曲か。
泉谷あれが当時その頃という感じで。
土居あっそう。
泉谷告白のブルースとか白雪姫だとかいろいろあった。
土居白雪姫の毒りんご。
泉谷一杯あるからね、俺の場合。
土居いい歌作ってるな。
泉谷いいでしょ。
土居今度さ、レコード大賞って歌作れってアンが言ってたよ、今。
泉谷てめえな、そこまで冗談言うとこの野郎、帰り一緒に帰らない。
土居はい、泉谷しげる君でした。どうもありがとう。センキュー

泉谷：泉谷しげる、土居：土居まさる、アン：アン・ルイス
※客の声は大部分省略。